小学生の頃からコナンの映画が好きで、中でも劇場版が大好きで暇を見つけては劇場版コナンを見ている私が、独断と偏見にて歴代の劇場版名探偵コナンの犯人のクズ度をふりかえってまとめてみました。
本編に比べて、事件の規模が大きい劇場版は比較的クズな犯人が多く登場している気がします!笑 ※あくまで私個人の独断と偏見ですのでその点ご承知ください!
個人的見解で次の要素で評価してまとめて見ます。
(分類が難しいところもありますが・・・)
・クズ度(トータル)
・自分勝手要素(動機の身勝手さやいいがかりなど)
・被害要素(殺害人数や周りへの被害など)
※対象は第21作のから紅の恋歌(2017年公開)までとしています。
※ストーリーの展開や犯人の名前などネタバレになるところがありますのでご注意ください!!
まだ作品を見る前!という方はこちらをどうぞ。
【見どころ】歴代劇場版名探偵コナンをあっさり解説〜その1〜
それでは早速ふりかえってみましょう!!
第1作目『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』【1997年】
犯人
森谷帝二(建築家・47歳)
(C)1997 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
連続放火(黒川邸など)、連続爆破・爆破未遂(ラジコン、環状線、米花シティービル)、東都環状線の運行妨害
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆☆
コメント
記念すべき劇場版第1作目の犯人は、ホームズの宿敵・モリアーティーをもじった森谷教授です。芸術肌の建築家であり、犯行の動機は過去のシンメトリーになっていない自分の作品を抹殺するというとんでもな動機でした。そしてかつて工藤新一が関わった事件により、西多摩市の市長が逮捕され、彼の描いた街づくり計画が中止してしまったため、工藤新一を恨んでいるという逆恨みっぷりも身勝手です。自分の作品爆破のために、東都環状線の利用者や、米花シティーホテルにきていた一般人を平気で巻き込んでいます。直接人を殺害していないにしても、人の命を軽く見ていますね。初代犯人にしてなかなかの高クズっぷりです。ただ、犯人としての悪役っぷりは歴代の犯人の中でもなかなかのものです。
第2作目『名探偵コナン 14番目の標的』【1998年】
犯人
沢木公平(ソムリエ・36歳)
(C)1998 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
連続殺人、殺人未遂、建築物の破壊(アクアクリスタル)
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(11点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆☆
コメント
紳士的な振る舞いからその変貌っぷりが評判高い、小五郎の昔から馴染みのソムリエ、沢木公平さんです。まず動機が自分が味覚障害に陥った原因(交通事故、外的ストレス)となったものへの復讐。完璧なソムリエを目指していたので(実際にソムリエとしての能力は素晴らしいものでしたが)、復習したい気持ちはわからなくもないですが、交通事故の原因である小山内奈々は直接的にしろ、辻、仁科、旭の3名にいたっては逆恨み(辻さんのイジりは殴られてもいいレベルでしたが)での犯行です。動機も大概ですが、復讐の罪を村上に被せようと考え出したあたりからクズっぷりが表面化します。村上含む3名直接殺害し、辻の復讐のためヘリの墜落を招き、仁科を溺れさせるために関係のない人を呼んで建物を爆破させるという大掛かりな犯行を試みます。本人も他の人はどうなってもよいと明言してますしね。タイトル通り、特定された個人を犯行のターゲットにした人数なら歴代で一番多い犯人です。
第3作目『名探偵コナン 世紀末の魔術師』【1999年】
犯人
浦思青蘭(ロマノフ王朝研究家・27歳)
(C)1999 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
強盗殺人(スコーピオンとして)、殺人及び殺人未遂、強盗未遂、放火
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(11点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆
コメント
第3作目の犯人はなんとICPOの国際指名手配犯“スコーピオン”こと、浦思青蘭さんです。そもそも名前から偽名(中国読みのプース・チンランはラスプーチンのアナグラム、彼女はラスプーチンの末裔)のため、年齢も実年齢か怪しいところですが、コナン映画の中でもかなり若い犯人でしかも珍しい女性の犯人です。犯行の動機は、ロマノフ王朝の財宝は先祖にあたるラスプーチンに渡るべきだったと考え、それらを奪うこと。なんという先祖愛と思い込みですね笑。また、犯行の際は先祖の無念を晴らすべく右目を狙い、先祖の写真を持ち歩くほどの陶酔っぷりです。ただ、今作の犯行については、キッドへの発砲はエッグ強奪のためでしたが、寒川と乾を殺したのは、それぞれ自分のうっかりミスのため(先祖の写真を飾っているところを撮られてしまった、サイレンサーをつけているところを見られてしまった)、小五郎についてはラスプーチンの悪口を言ったから、というとんでもな理由です。簡単に人を殺しすぎ&先祖好きすぎです。城を燃やしたこと以外は、一般民衆は巻き込んでいない点は他の犯人に比べまだマシでしょうか。
第4作目『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』【2000年】
犯人
風戸京介(医師、心療科・36歳)
(C)2000 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人及び殺人未遂、発砲(トロピカルランド内での無差別)
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆
コメント
第2作の沢木公平さん並みに犯人と発覚後の豹変ぶりがすごい風戸先生です。連続殺人に加え、佐藤刑事を重体にし、蘭の記憶喪失を招いた上で執拗に命を狙うなど、コナンに身近な人間が被害にあっていることで、かなり悪役の印象が強い彼です。犯行の動機は、そもそもは仁野保への復讐(風戸先生のオペの腕に嫉妬してわざと怪我をさせた仁野もまあまあクズ)ですが、それが引き金となり、連続殺人(さらにはトロピカルランドでの無差別発砲)まで行なってしまいます。普段はとても穏やかな先生でしたが、仁野殺害が彼の眠れる狂気を引き出してしまったのでしょうか。ちなみにラストでコナンと対峙するシーンではサイレンサー付き拳銃に暗視ゴーグル、サバイバルナイフというアーミースタイルでした。もともとの趣味か、天才は殺人の時もこだわりが強いのか・・・。
第5作目『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』【2001年】
犯人
如月峰水(画家・60歳)
(C)2001 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆(7点)
・自分勝手要素 ☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆
コメント
犯人として登場したシーンが無駄にかっこいい、如月峰水先生です。まず殺害の動機は、ツインタワービルの建設によって、自分のアトリエからの愛する富士山の眺望を奪われたため。彼の富士山への想い入れから少しは気持ちも分からなくもないけど、それだけで殺人をしてしまうという・・・森谷帝二といい、芸術肌の犯人はどこかリミッターが外れがちですね。(褒められたことではないですが)どうせ強硬手段を取るなら、せめて建設前に抵抗すればよかったのでは・・・?ただ、峰水先生は一般の人を巻き込むことはせず、犯行が暴かれた後も無駄にあがくことはしませんでした。なお、この作品で一般人に多大な被害を出したのは、爆弾を仕掛けた黒の組織の方ですね。動機や風貌が印象的で、ヤバイ犯人かと思われがちですが、劇場版では珍しく潔い犯人でした。
第6作目『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』【2002年】
犯人
トマス・シンドラー(実業家・60歳)
(C)2002 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆(6点)
・自分勝手要素 ☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆
コメント
劇場版のコナンの犯人でも随一の有名人、トマス・シンドラー社長です。直接の犯行は樫村さん殺害のみですが、よりによって新一以上の推理力を有する工藤優作のいる前で、しかも優作の親友を殺害をしてしまうというチャレンジャーっぷり。やはり大物ですね。 犯行の動機は、自分がかつてロンドンを恐怖に陥れた殺人鬼の末裔であることの発覚を恐れたため。なんともミステリアスな動機でした。一方で、かつてヒロキくんを自殺においこんだことは、結果的に被害はなかったものの、ノアズアークの50人の子どもたちの命を危険に晒した、ノアズアークの暴走を引き起こした元凶でもありました。また、シンドラー社長逮捕によって経済的に損害を被ってしまった人も多そうですね。
第7作目『名探偵コナン 迷宮の十字路』【2003年】
犯人
西条大河(古書店店主・35歳)
(C)2003 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人、強盗、誘拐
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(12点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆☆
コメント
窃盗団「源氏蛍」のNo.2“弁慶”こと西条大河さんです。普段は穏やかなメガネをかけた古書店の店主ですが、犯人として登場した時は、メガネを外し、目つきは鋭く、髪は逆立っているという、沢木さんや風戸先生にも負けないくらいの豹変っぷりです。東京・大阪・京都で他の窃盗団のメンバー6人を殺害し、かつて盗んだ仏像の白毫を所有していた服部も狙うのですが、比叡山の山奥まで追跡した上で、高い木に登り弓を放つ、そして叡電の線路内を逃走したりとかなりアクティブに活動します。また「義経になりたかったんや!」という犯行動機は有名ですが、厳密に言えば「義経が好きだった→京都に義経流という剣術がある→独学でマスター→宝を独占して京都に義経流の道場を建てたい」という、義経愛を貫いた夢のある動機でした。ただ、連続殺人および窃盗品売買による資金確保という手段をとってしまったあたり、平次の言う通り“取り憑かれて”いたのでしょう。もともと窃盗団にいたので、その時点で善人ではないのですが・・・。なお、地味に平次より剣術で勝っていた実力者でもありました。
「オレは元々弁慶より義経が好きやった!義経になりたかったんや!」
第8作目『名探偵コナン 銀翼の奇術師』【2004年】
犯人
酒井なつき(ヘアメイク・26歳)
(C)2004 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人(この殺人による飛行機墜落未遂)
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆(8点)
・自分勝手要素 ☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆☆
コメント
凝った殺人トリックが、なんと旅客機墜落未遂を招いてしまった酒井なつきさんです。殺人の動機としては、自分の夢を潰した人への復讐という、まだありがちな動機です。殺害人数も1人と劇場版の中では比較的少なめ。そもそもこの作品自体が、キッドとの勝負と、飛行機墜落の危機をどう乗り切るか、というところに注目がいく作品のため、なつきさんの印象はあまり強くないと思います。しかしなつきさんのある意味アンラッキーなところは、化粧道具を使ったトリックを試みたものの、それを旅客機内で実行し、さらに殺害された牧樹里さんが洒落たことをしてしまった結果、旅客機の操縦士まで毒の被害にあってしまうという、下手をすれば何百人もの人が命を落としてしまう事態を招いてしまったことでしょう。
第9作目『名探偵コナン 水平線上の陰謀』【2005年】
犯人その1
日下ひろなり(シナリオライター・26歳)
(C)2005 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人未遂、船の爆破
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆(8点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆
犯人その2
秋吉美波子(設計士・32歳)
(C)2005 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人、船の爆破(日下より大規模)
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆☆
コメント
珍しい犯人が複数いるパターンの作品です。動機はどちらも過去の海洋事故で犠牲になった父親の復讐です。まず、美波子さんに完全に踊らされていた日下ひろなりさんは、正直劇場版にしては少々ポンコツな犯人でした。変に凝ったわりには、運任せなトリックを使ったかと思えば、爆発の混乱に乗じて殺害を目論むなど、粗の目立つ犯人でした。そしてそれを美波子さんも見抜かれており、陰ながらしっかり手助けしてもらっています。日下さんは結局だれも殺していなかったものの、無関係な園子を霊安室に閉じ込め殺しかけているあたり自分勝手なクズさが見られます。美波子さんは黙々と殺人を実行していくところも怖いですが、最後は船を爆破し沈めることを目論むという、下手すると無関係な人が大勢命を落とす可能性がある事態を引きを越しました(しかも前作とは違いこちらは故意で)。ただ美波子さんは小五郎には目をつけられ犯人と推理されたものの、コナンを出し抜きかけた数少ない犯人でもありました。
第10作目『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』【2006年】
犯人その1
伊東末彦(会社社長)
(C)2006 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
強盗、恐喝、殺人未遂
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆
犯人その2
清水麗子(元会社秘書)
(C)2006 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人、殺人未遂
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(11点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆
コメント
前作に引き続き、犯人が2人いるパターンでした。コナンや小五郎、平次を脅して、事件の真相を捜査させた犯人は伊東末彦、そしてその事件の真犯人で、自殺したと思われていたが実は生き延びていたのが清水麗子です。伊東が強盗を試みた動機は、「最愛の人と秘密を共有するため」というちょっとイタいロマンチスト的な理由でした。しかも、実は伊東がもっとも愛していたのは自分自身というナルシストっぷり。それにしても、ミラクルランドに自室を作り、小型爆弾が入ったIDを用意し、街中に監視カメラを設置、さらにはお店の人形に爆弾をしかけるという行動力と資金はどこから湧いてくるものなのでしょうか・・・。一方、清水麗子はいかにもという悪女で、伊東のようなイタいクズではないものの、お金のためや自分の犯罪を隠すために簡単に人を殺そうとするクズっぷりです。自殺に見せかけて生き延びていたのもあざといですね。なお、この2人の先輩で、バックについていた深山社長もなかなかのクズでした。
第11作目『名探偵コナン 紺碧の棺』【2007年】
犯人
岩永城児(観光課長)
(C)2007 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人、殺人未遂
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆(6点)
・自分勝手要素 ☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆
コメント
おっちょこちょいで人の良さそうな観光課長、岩永さんです。犯行の理由はトレジャーハンターに宝を横取りされたくなかったから。犯人とはいうものの、トレジャーハンターの方がICPOに指名手配されていたり、蘭と園子を拉致するなどの悪役っぷりなので、どうも印象が薄い犯人でした。犯行も突発的なもので、いくつもの証拠を現場に残してしまいます。コナンに犯行を暴かれた後は、海底からの脱出のために手を貸してくれるなど、完全な悪人ではない様子です。しっかり罪を償ってほしいですね。
第12作目『名探偵コナン 戦慄の楽譜』【2008年】
犯人
譜和匠(堂本ホール館長・元調律師)
(C)2008 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人、殺人未遂、音楽ホール爆破
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆☆
コメント
絶対音感の持ち主、譜和匠館長です。国際的ピアニスト・堂本一揮を長年支えた調律師という貫禄ある立場の犯人でした。犯行の理由は息子の事故死の原因をつくった者への復讐、そして自分から調律師という職を奪った堂本一揮、パイプオルガン、堂本ホール、さらには音楽を聴きにくる観客たちを消し去り、静かな夜を手に入れるため、という、なかなかの荒れっぷりでした。ただ、息子をなくし、妻をなくし、天職を失った彼の精神状態も相当応えてたと思います。しかし真相は堂本一揮との思い違いが生んだ悲しいものでした。ただ、観客をホールごと消し去るという発想は・・・歴代の才能あふれる芸術肌の犯人とどこかに通ってますね。コナンの推理を素直にたたえ、負けを認めた味のある犯人でもありました。
第13作目『名探偵コナン 漆黒の追跡者』【2009年】
犯人
本上和樹(公認会計士)
(C)2009 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人、自殺教唆
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(13点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆☆☆
コメント
ホテルの火災事故に巻き込まれ、犠牲になった本上なな子さんの兄、本上和樹さんです。登場シーンがとても少なく、どちらかというとアイリッシュや黒の組織との対決がメインで描かれていた作品のため、印象が薄い犯人です。しかし、劇場版で判明している限りでは最多の7人を殺害しており、その罪をなな子さんの恋人、水谷さんに被せた挙句、彼に自殺を唆していたというクズっぷりです。しかも火災事故の真相を知りながら、なな子さんのお陰で生き延びて感謝の花束を送っていた7人を殺してしまう(妹が死んだことに変わりないという理由で)身勝手さ。几帳面な性格として描かれていて、律儀に被害者の側にエレベーターを暗示した麻雀牌、そして被害者の死体を北斗星と北斗七星の位置になるように遺棄するという手の込みよう。それでいて平然と3回忌を行い、コナンと会話するという落ち着き。劇場版屈指のヤバイ人です。妹の死が、彼の何かストッパーを壊してしまったのでしょうか・・・。
第14作目『名探偵コナン 天空の難破船』【2010年】
犯人
藤岡隆道(ルポライター)
(C)2010 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
研究所爆破、ハイジャック、窃盗未遂
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆
コメント
“赤いシャムネコ”を名乗る謎の組織の国立東京微生物研究所爆破から始まった一連の事件の首謀者。傭兵経験のある仲間をお金で雇い、飛行船をハイジャックし、大阪をバイオテロの恐怖に陥れたその目的は、警備が手薄になった国宝レベルの仏像を盗むため。劇場版の犯人たちの中でもっとも多くの仲間を集めて犯行に及んだ犯人でした。ただ、その仲間の数含め、規模の大きさから比べると思ったより控えめな動機でした(しかも寺院に盗みに入った仲間があっさり平次の通報でつかまるという)。コナンやキッド、平次の妨げが入ったとはいえどこか計画倒れのような・・・。殺人等は犯していないものの、最終的には集めたテロの仲間含め、飛行船を爆破するつもりだったようで、いずれにせよ人の命を軽視している悪党でした。
第15作目『名探偵コナン 沈黙の15分』【2011年】
犯人
山尾渓介(無職・34歳)
(C)2011 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人、殺人未遂、建造物爆破(地下鉄、北ノ沢ダム)、強盗殺人等
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(14点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆☆☆☆
コメント
登場時点で既に、8年前に宝石店で強盗殺人を犯した挙句、飲酒・無免許・スピード違反の状態で幼馴染の妹をひき逃げをしてしまい刑務所から出所してきたという、いきなりブラックな過去をもつ山尾くんです。そしてそれを目撃していた、これまた幼馴染の息子である冬馬くんを殺そうと追いかけ、崖から転落したのを放置し逃走していたこともわかりました。盗んだ宝石を隠した祖母の家がダムの底に沈んでしまったため、都知事が式典にこないよう地下鉄を爆破、式典の当日にはダムを爆破することを試みます。さらに幼馴染を1人殺害・・・どんだけ犯罪を犯すんだというクズっぷりです。8年間刑務所に入っている間もまったく改心せず、コナンの活躍によって被害は少なくなったもののテロリスト並みの被害者を出してもおかしくない規模の犯罪を平気で行っています。他の作品に出てくる犯人に比べ、信念もなにもなく、自分のお金のために犯罪を繰り返した正真正銘のクズな犯人でした。
第16作目『名探偵コナン 11人目のストライカー』【2012年】
犯人
中岡一雅(アルバイト・21歳)
(C)2012 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
脅迫、建造物爆破・爆破未遂
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆(8点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆
コメント
3年前、杯戸高校を全国優勝に導いた“奇跡のワントップ”、中岡一雅さんです。犯行の動機が少々複雑で、彼が人生をやり直すきっかけを作ってくれた少年、知史くんが事件の数ヶ月前に亡くなってしまいました。亡くなった当時の状況を聞いた彼は、毛利小五郎やJリーグのサポーター達が、知史くんの乗った救急車を妨害したと考え、彼らの復讐のために、毛利小五郎を脅迫し、Jリーグの試合が行われるスタジアムを爆破するという犯行を試みます。結果的にこれは思い違いであり、真相を聞いた彼も心改めていた様子でしたので、根っからの悪者・・・という訳でもなさそうですが、コナンやJリーガーの活躍によって被害は限られたものの関係ない人を巻き込んでいる自分勝手さも見られます。そもそも全国のスタジアムに大量の爆弾を仕掛けまわる(しかも危なっかしいところにも)、その行動力と運動神経がすごいです。なお、恐らく劇場版の犯人で最年少の犯人だと思われます。
第17作目『名探偵コナン 絶海の探偵』【2013年】
犯人
倉田正明(海上保安庁)
(C)2013 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
業務上過失致死、捜査妨害?
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆(5点)
・自分勝手要素 ☆☆☆
・被害要素 ☆☆
コメント
海上保安庁に所属しており、(不運にも)不審者と不審船を発見してしまった倉田正明さんです。劇場版にしては非常に珍しい、殺意をもって犯罪をしていない(実際に不審者を追いかけて、その末に海へ転落してしまった)犯人です。しかもこの作品は某国のスパイ“X”や“竹川”の方が悪役に書かれているので、より犯人としての印象が薄いかもしれません。捜査の撹乱を招いたことは良くないことですが、反省している様子もあります。恐らく劇場版の犯人でもっともまともな犯人だと思います。
第18作目『名探偵コナン 異次元の狙撃手』【2014年】
犯人
ケビン・ヨシノ(ミリタリーショップ店員・32歳)
(C)2014 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人、殺人未遂等
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆☆
コメント
元海兵隊の二等軍曹のスポーツ系イケメン、ケビン・ヨシノです。歴代の犯人でも屈指の戦闘実績をもつ犯人でした。そして狙撃というコナンでも防ぐことが難しい殺人手段を用いていたため、コナンも殺人を防ぐことに失敗しています。犯行の動機は恩人である元SEALsの狙撃兵、ティモシー・ハンターの復讐を実施することです。ハンターとともに犯行計画を考え、ついにはハンターの願いでハンター本人までも殺害してしまいます。自分本位な犯人が多い中で、珍しく他人の復讐のために、自らの手で殺人を行っていました。元凶となったジャック・ウォルツもなかなかのクズでしたが、計画実行のためにコナンや世良の殺害を試み、警察にも多くの被害を出しているため、同情しにくいところがあります。
第19作目『名探偵コナン 業火の向日葵』【2015年】
犯人
宮台なつみ(鑑定士)
(C)2015 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人未遂、建造物爆破
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆
コメント
「7人のサムライ」の1人で、裏切り者“ユダ”の正体、宮台なつみさんです。飛行機を爆破したり、レイクロック美術館で火災を起こした理由は、(自分が贋作だと思っている)2枚目と5枚目の「ひまわり」が、他の本物の「ひまわり」と並ぶことが許せなかったから。私が美術に疎いこともありますが、正直ぜんぜんピンとこない犯行動機でした笑。飛行機爆破は乗客だけではなく、空港にいる人まで巻き込んでいましたし、美術館の火災も鈴木財閥と多くの人に迷惑をかけていました。作品のシナリオ上、仕方ないのかもしれませんが、声によってキッドから犯人だとバレてしまい、証拠もPCに保存してあった計画書が見つかってしまうという、ちょっとポンコツな印象も残りました。
第20作目『名探偵コナン 純黒の悪夢』【2016年】
犯人
なし
第21作目『名探偵コナン から紅の恋歌』【2017年】
犯人
阿知波研介(元不動産会社社長)
(C)2017 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
主な犯行
殺人、殺人未遂、建造物破壊(日売テレビなど)
クズ度
・クズ度 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆(9点)
・自分勝手要素 ☆☆☆☆
・被害要素 ☆☆☆☆☆
コメント
“浪速の不動産王”こと阿知波会長です。貫禄ある、コナンや平次の捜査に協力してくれていた気の良いオジさんでした。犯行の動機は5年前の名頃鹿雄の殺害を隠すためです。それも、名頃を殺したのは妻の皐月だったため、最後は皐月の罪を被ろうとしていました。妻の犯罪を隠すためとはいえ、無関係な人の命(海江田を爆殺)まで奪い、爆破によって多くの一般人の命を危険にさらしてしまうほど、暴走してしましました。ストーリー中は最後まで妻を庇う、妻思いの人として描かれていましたが、目的達成のためには手段を選ばないという裏の顔が、実はあったのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。いろいろな掲示板でも言われているように、なかなかの凶悪犯のオンパレードですね笑。おそらく倉田さんくらいしかまともな人はいなかったのではなないでしょうか。また、同じクズでも、森谷帝二や沢木さん、風戸先生など、自分の信念ために徹底的に悪に徹していた犯人はキャラクターとして魅力がありました。一方で、山尾くんや宮台なつみさんのように、イマイチ重みのない動機で、規模の大きい犯行をしている人はちょっとついていけない印象がありました(そこまでやる?的な)。如月峰水先生や譜和館長、阿知波会長などは犯行が暴かれたあとも落ち着いており、どこか同情してしまうような味のある犯人でした。